2020年3月21日土曜日

小津清左衛門 江戸三店 弘化四年(1847年)

小津清左衛門長柱(1811~76)は、津の蘭方医、筒井孝伯美顕の三男で天保七年(1836年)婿養子となり、天保十一年(1840年)四月、家督を相続し清左衛門に改名。同年十月十三日に紀州和歌山藩から八十五人扶持、御蔵米三拾俵、独礼格地士を仰付られ、御為替組御用を勤めます。江戸は、本店(紙・操綿・鰹節・下り傘)、太物店(木綿)、向店(紙・茶・鰹節)の三店があり、長柱は本家店、松坂本町に居住。長柱日記、弘化三年(1846年)一月、江戸本郷丸山辺より出火、大橋店山本蔵一ヶ所、本店台所、霊岸島紙荷物蔵一ヶ所、木綿店大落焼失とあり。
弘化四年(1847年)頃 屋敷図 

復興後の弘化四年(1847年)頃の屋敷図
 緑:本店
(小津屋清左衛門)
 青:太物店
(伊勢屋清左衛門)
 茶:向店
(大橋屋太郎次郎)

「東都大傳馬街繁栄之図」歌川広重筆が描かれた天保~弘化の頃です。




屋敷図
屋敷図は、小津史料館で展示公開しています。(上記の作成図は、方向を変えています。)
 図には、大伝馬町一丁目南側、奈良屋伊右衛門(京の澤の井喜右衛門)、職人町(松坂)、長井(大和屋三郎兵衛)、田端屋本店、新店(津の田中次郎左衛門)、升屋七左衛門(家持居住、久須木七左衛門)、北側、布袋屋(京の嶋田善右衛門)、本町四丁目南側、砂糖店大坂屋由兵衛、薬種店近江屋久七、薬種店伊勢屋清左衛門(星野清左衛門)、荒物店近江屋庄助、北側、帳屋(小津清左衛門雇人家守、帳屋又兵衛)、本石町四丁目、に志免屋、大野宗甫(医者)、加印大和屋住居(紙店、茶店、本草学者、西村三郎右衛門廣休(1816~89)、勢州相可村)がわかります。

新板大江戸持〇長者鑑(クリアファイル)
「新板大江戸持〇長者鑑」弘化三年(1846年)改、正源堂板
中央の行司右側に傳馬町小津清左衛門、東前頭九枚目に本町大橋太郎次郎とあります。
 クリアファイルの裏面は「東都大傳馬町繁栄之図」で小津史料館オリジナル、小津和紙で販売しています。古地図とセットで550円(税込)

弘化五年(1848年)二月、大橋店の隣家屋敷表五間を京の田中三郎兵衛から金千三百両で譲り受けます。(小西)

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