2020年7月16日木曜日

小津益吉家

小津清左衛門長柱が、絶家となっていた小津権右衛門家を長女多賀に婿を長谷川家から益吉を迎えへて松坂矢下町に再興した東家、権右衛門家九代となる。

小津益吉(天保十三年十一月十八日生~明治三十三年九月二十日、享年五十八歳)
父は紺屋町の長谷川西家長谷川六郎次元経、二男。妻は、長柱長女多賀(天保十二年十一月二日生~大正元年八月二十一日、享年七十一歳)。
安政五年、長柱の養子となり、多賀と結婚。
明治五年、矢下町へ分家、小津権右衛門家再興、東家。

長女茂登(文久元年七月二十三日生)
四日市の三輪達之助へ嫁ぐ。

二女春(文久三年生~明治元年、享年六歳)

長男鹿吉(慶応三年七月二十四日生、昭和二十六年七月七日、享年八十四歳)
明治三十三年、父益吉死後家督を相続、小津銀行に勤める、その後、明治火災保険の松阪代理店を開業。妻は長谷川西家長谷川六郎次元孚娘うた。

三女つう(明治四年五月二十三日生)
津大門の冨岡太郎兵衛長男冨岡太兵衛へ嫁ぐ。
小津清左衛門長幸の妻は冨岡太郎兵衛長女都賀(明治二年生)。

四女けい(明治七年三月十二日生)
長谷川西家七代長谷川彦三へ嫁ぐ。彦三は武右衛門定静男卯之助、六郎次家へ養子にいっている。

二男貫之助(明治九年二月十四日生)
長谷川南家へ養子、南家七代長谷川玉嶺。日本画家。
妻は、南家長谷川武右衛門定静女。長谷川彦三と兄妹。

五女てつ(明治十一年二月二十七日生)
殿村佐五平家殿村清蔵へ嫁ぐ。

三男弘三郎(明治十六年十二月五日生)
長井九郎左衛門家へ養子、十一代長井九郎左衛門直雅。
妻は中條瀬兵衛三女ふみ(明治十六年十月生)、沙陀吉の妹。

六女とも(明治十八年十二月二十七日生)
津の中條瀬兵衛家中條沙陀吉(明治十四年六月十三日生)へ嫁ぐ。

四男覚三(明治二十二年三月四日生)
魚町にて分家。

益吉と多賀の結婚は、長谷川家と小津清左衛門家の関係を強くした。
小津家、殿村家は松坂の大年寄、小津家、長井家、殿村家、長谷川家は、紀州御為替組御用を務めた家である。長谷川家は、明治には東京に移住している。
中條瀬兵衛家は津の醤油問屋であるが、江戸大伝馬町に木綿店長崎屋瀬兵衛、江戸堀留町茶・醤油店長崎屋瀬兵衛、江戸伊勢町に本店、茶・醤油酢・明樽の中條瀬兵衛を持っていた。沙陀吉は、当主として茶・醤油商中條商店社長である。(小西)

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